6月に入り、いくつかのコンサートを聴きにいきました。
演奏会での時間は、音楽と、そして自分自身とも向き合うことのできる大切な時間です。
6/3(金)は、ショパンコンクールで第3位を受賞した、マルティン・ガルシア・ガルシア君のリサイタルを聴いてきました。
ファツィオリのピアノで聴くショパン。
明るい音色と伸びやかなメロディーライン。キラキラの高音と繊細なレースみたいなピアニッシモ。
素晴らしかったです。
ショパンコンクールのライブ映像を観ながらずっと応援していたけれど、やはり生演奏は格別でした。
音楽の喜びや、ショパンの人生を見せてもらっているかのような時間でした。
個人的に、ショパンの作品に対する苦しくて辛い思い出があったのですが、(試験やコンクールで曲と向き合ううちに、私にとってショパンは重く苦しいものとなってしまっていました。) 金曜日は、そんな辛かった過去をマルティン君が全て音で浄化してくれました。
なかなか好んで聴くこともできなかったソナタの3番も、苦悩の出だしと、中間部の美しいメロディー、3楽章の天国のような美しさ、そして再び強い意志のある4楽章の前進力に息を呑みました。
ショパンの芸術性を改めて深く感じました。
マルティン君、本当にありがとう。
…追いかけます……!!
次は秋のリサイタルとコンチェルト、聴きに行けたらいいな。
6/6(月)は、アルゲリッチとクレーメルを聴きにサントリーホールへ。
アルゲリッチもクレーメルも、今までに何度か聴いたことがありましたが、日本で聴くのは初めてでした。
アルゲリッチの、彼女にしか出せない唯一無二のピアノの音色。
耳に、胸に、刻み込みました。
プログラムは、全体を通して、戦争と平和について考えさせられるものでした。
芸術家は、音で訴えることができる。
そう思いました。
アルゲリッチの後ろ姿の見える位置で聴いていたのですが、ショスタコーヴィッチのトリオの楽譜の年季の入り具合を見て、あの楽譜はアルゲリッチの部屋の、たぶんピアノの部屋の、楽譜棚の中から、彼女に取り出されてやってきたんだ…!と思うと、なんだかすごく胸が熱くなりました。
大芸術家と共に時を過ごした楽譜たち。ロマンチックだなぁ…。
コンサートを聴いた後にピアノに向かうと、
今まで見えてこなかった響きや旋律のラインが出てくる出てくる…!
「あれっ、見逃してた!」「おやっ!これは…!」
といった具合に、練習していた曲のいろんな面が見えてきます。
これがまた楽しい時間です。気付いたら2,3時間過ぎてしまう…そんなこんなで最近は家事の手を抜きがちですが、全て完璧とはいかないということで良しとしています。(笑)
◎◎◎◎◎
梅雨に入りましたが、
新しい生徒さんとの出会いや、広がっていくご縁に、嬉しい気持ちがふんわりと心を明るくしてくれています。
庭のバラや紫陽花、今年も咲いてくれました。
どんな季節でも楽しめる人になりたいものです。
それでは、また♪
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